「じゃあ、外じゃなければいい?」
「そっ、そういう意味じゃありませんっ」
「ははっ、ごめん。わかってるよ。体調が悪いわけじゃないならよかった」
美咲の頭をぽんと撫で、レジカウンターの横によける。
(だから、そういうのが困るって言ってるのに)
美咲は心の中で不満を叫びつつ、平静を装って仕事に戻った。
ドリンクを作っている様子をじっと見つめられているのが背中越しにもわかり、じんわりと身体が火照る。
他の客と同様に「お待たせしました」と商品の入った袋を手渡し、手を降って爽やかな笑顔で去っていく大翔を見送った。辻村と葛西のなにか言いたげな視線は、一切無視することにする。
その後も数組のレジを済ませ、バイトの子たちに順番に休憩を促すと、あっという間に午後二時を過ぎた。
「お疲れ様。落ち着いたし、打ち合わせ兼ねて一緒に休憩に入らない?」
「うん。そうしようか」
声を掛けてきた岸辺理香に頷き、辻村や他のスタッフにも「店長と一番入りますね」と伝えてから店を出た。



