すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか?~孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない~


彼の家族でないとすると、このパンプスの持ち主は……。

嫌な予感に固まっていると、部屋の奥でガタンと大きな音とともに、「あら? もう帰ってきちゃったの?」と不満を口にする女性の声が聞こえた。

「み、美咲……っ?」

情けない格好で玄関に転がり出てきたのは、間違いなく美咲の恋人の悠輔だった。驚きと焦燥の声を聞きながら、全身から力が抜けていくような感覚がする。

「あの、違う……これは、違うんだっ」

首を振って幾度も違うと否定しているが、上半身は裸で、スラックスも今慌てて履きましたといった有り様を見れば、その言葉にはどれほどの説得力もない。とどめに、後ろからスタイル抜群の女性が下着姿で顔を覗かせている。

怒りや悲しみよりも、虚無感が勝った。

「あなたが悠輔の〝なかなか振り向いてくれない〟彼女? 感情的にならないところを見ると、本当に熱量に差があるのね」
「由加! 君は黙っててくれ!」

どうやらふたりは旧知の仲らしい。話しぶりからして、もしかしたら昔付き合っていた相手なのかもしれない。
でもそんなこと今はどうでもいい。あれこれ考えなくとも、悠輔が美咲を裏切ったであろうことは明らかだ。