篤志の言葉にたじろぐ美咲に、大翔もここぞとばかりに押してくる。
「半年前まで篤志と住んでたなら、ここからの通勤にも慣れてるだろ? 部屋は空いてるからプライベート空間は確保できる。家事は俺が担当するし、家賃もいらない。それなら仕事に支障はないし、ひとり暮らしに向けて資金を貯められる」
次々と魅力的な条件を羅列していく大翔を見て、向かいの篤志は「必死だな」と笑っている。
けれど、美咲はとても笑えない。
「なにか不満な点はある? 他に要望があれば、できる限り叶えるよ」
「不満なんて……私にばかり都合のいい条件しかないです。でもいきなり同居なんて、大翔さんの負担になるんじゃないですか?」
「俺から提案してるんだ、負担なんてないよ。美咲との時間ができて、もう一度やり直せるチャンスがもらえるのなら、俺にとっては願ったりだ」
見惚れてしまうような微笑みを見せられ、美咲はそれ以上なにも言えなくなる。
すると、ふたりのやりとりを見ていた篤志が立ち上がった。



