すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか?~孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない~


「お疲れ、篤志。そんな怖い顔するなよ。とりあえず入って座ろう」

いつまでもエントランス前で突っ立っているわけにはいかない。大翔に促され、赤絨毯の敷かれた廊下を進んだ。
このマンションにはコンシェルジュカウンターの奥に、住人が自由に利用できる共用のラウンジがある。

美咲と大翔がテーブルの奥のソファに並び、篤志は向かいのひとり掛けのスツールに腰をおろす。

「それで? どうして美咲と一緒にいたんだ?」

早速本題を切り出す篤志に対し、美咲よりも先に大翔が口を開いた。

「昨夜、うちに泊めたんだよ」
「……は?」
「大翔さんっ!?」

色々な説明を飛ばして、なぜその部分だけをピックアップしたのか。美咲は慌てて大翔を制止しようとしたが、彼は昨晩の一部始終を話してしまった。話しが進むにつれ、兄の眉間の皺が深まっていくのがありありと見て取れる。

「……浮気野郎の家を出てきた美咲をたまたま見つけた大翔が家に泊めて、今まで仲良く買い物してたってことか」

すべてを聞き終えて問う篤志の声は、奈落の底よりも低い。どうやら想像以上に怒っているらしい。