「大翔さんを、嫌ってなんていません」
そう本音を告げた。
正確に言えば、嫌ったことなんて過去に一度もない。
「そうか。よかった」
美咲のたったひと言だけの返事を聞いた途端、彼の肩から力が抜けたように見えた。
ふわりと笑顔を浮かべ、「じゃあ行こうか」と美咲の背中に手を添えて再び歩き出す。
「俺と一緒にいるのが苦痛じゃないのなら、このまま必要なものを買いに行こう」
「えぇっ? 待ってください、それとこれとは話が――」
「違わないよ。君が俺を嫌っていないのなら、俺はもう二度と引き下がらない」
大翔の纏う雰囲気が、こちらを見つめる瞳が、ぐっと色濃くなる。
心臓がドキドキと音を立て、まるで口説かれているかのように錯覚しそうだ。美咲は彼の放つ熱に圧倒され、ただその瞳を見上げるしかできなかった。



