けれどブラウス一枚一万円、ボトムスは三万、ワンピースに至っては五万円以上というのが平均価格。お気に入りと入ったが気軽にいくつも購入できる価格帯ではなく、月に一度買い物に来るかどうか。大翔が店員に頼んだ服の枚数を考えれば、美咲のひと月分の給料など軽く吹き飛んでしまう。
縋るような視線で小さく首を横に振ってみせるが、彼は「心配しなくても、美咲に支払わせるつもりはないよ」と笑った。
「えっ?」
「ほら、ここも配送にして次に行こう。明日の朝にはうちに着く」
「ちょっ、待っ、大翔さん!」
止める間もなく大翔が手配を済ませてしまい、丁寧なお辞儀で見送られる。
ソルシエールのスタッフから見えない位置まで来ると、美咲は彼の腕を引いて立ち止まった。
「あんなにたくさん買っていただくわけにはいきません。レシート見せてください、お支払いします」
「気にしなくていい、俺が贈りたかっただけだから」
「そんなわけには――」
「気になるなら今は俺を篤志の代わりだと思えばいい。あいつに頼るつもりだったんだろ?」
「……大翔さんは、お兄ちゃんじゃないじゃないですか」



