すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか?~孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない~


大翔はすべての訓練や資格試験をトップの成績で通過し、最短で副操縦士となったらしい。高い操縦技術を買われて二十九歳で海外のエアラインにスカウトされ、技術を磨くために転職。

三年間イギリスの航空会社で経験を積み、カムバックパス制度を使ってサクラ航空に再度入社したのが半年前のことだという。

「ヘッドハンティングってすごいですね。なんか映画みたい」
「航空業界は人材不足だからね。どの航空会社もやってると思うよ」

彼は昨夜の出来事や、八年前の美咲の別れ際の仕打ちには触れず、和やかに会話をリードしてくれる。もちろん、それが大翔の優しい気遣いであることに気づいていた。

(昔も、大翔さんは本当に優しかった)

けれど、今の彼とはその優しさに甘えていい関係ではない。食事を終えたら、そろそろお暇しなくては。

一瞬の沈黙の間をついて美咲が口を開きかけた瞬間、先に大翔が声を発した。

「それじゃ、食べて終えて準備したら買い物に行こう」
「買い物……ですか?」