「すごいな、エリアマネージャーか」
「まだ昇格して二年目なので担当店舗は少ないですけどね。今は夏休みの販促を練ってるんですけど、各店舗それぞれ特色を活かしたプランを考えてて」
担当するエリアごとの異なる地域特性を鑑み、集客方法を考えるのはなかなか難しい。チェーン店のため、店舗単体でなにか大きな企画をするといったことではなく、接客方法であったり打ち出す商品であったり、それぞれの地域にあった戦略を立てて売上を伸ばしていくのが美咲の仕事だ。
他にも各店舗と本社の橋渡し役や、人材育成も欠かせない大切な業務であり、毎日が忙しすぎて怒涛のように過ぎていく。エリアマネージャーといえば大層な肩書に聞こえるが、実際は店舗と本社を行ったり来たりしてそれぞれの意見を聞き、実現に向けて駆けずり回っている、いわば雑用のような役割だ。
この役職となって二年目。まだ担当店舗は少ないながらも、その責任と重圧は感じている。けれど、その分やりがいも大きい。
「へぇ。チェーン店は一律足並みを揃えてるものだと思ってた。大変だな」
「うちの会社は比較的店舗の裁量が大きくて、色々チャレンジできるんです。そのお店限定メニューもやらせてもらえたり。大変だけど、やりがいも楽しみもあります」
大翔が聞き上手なため、美咲は肩の力を抜いて会話を楽しめた。自分の近況を話し終えると、次は彼にも聞き返す。



