すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか?~孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない~


それなのに佐奈が友人と一緒に美咲のバイト先に来ては聞えよがしに大翔とのエピソードを語るため、嫌でもふたりの仲のよさそうな様子がバイト中の美咲の耳に入ってくる。

そして、あの日も彼女は同僚らしき女性とともに店に現れた。

『あれ? 佐奈、少し顔色が悪い?』
『やだ、わかる? 寝不足なのよ。遅くまで彼と電話してたから』
『えぇー! 彼って各務くんでしょ? それって本当に電話だけ? 寝不足なんて意味深じゃん』
『ふふっ、やぁね。彼の悩みを聞いていたら、いつの間にか深夜だったの。本当に電話だけよ、昨日はね』

声を潜めているように装っていても、美咲に聞かせようとしているのはあきらかだった。

『それで? 明日の私との予定はキャンセルなんだよね?』
『えぇ、ごめんなさい。でも今日は出社スタンバイでそばにいられないし、明日はどうしても彼のところに行ってあげたいから』
『はいはい、ごちそうさま。じゃあしょうがないね』
『ふふっ、今度必ず埋め合わせはするわ』

聞こえてくる内容に凍りつく美咲には、それ以降の楽しそうな会話は耳に入らなかった。

明日は、美咲の二十歳の誕生日。ふたりで予定を合わせて出掛ける計画を立てていたけれど、今朝彼から『悪い、お祝いを違う日に変更させてほしい』とメッセージをもらったばかりだった。