すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか?~孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない~


同じ職場で働く同僚なのだから、なにも不思議ではない。漏れ聞こえてくる内容も本当に仕事の話だったのだから、きっとこのモヤモヤとした気持ちは自分の心が狭いせいだ。

そう自分を責め、嫉妬心を表に出さないようにぐっと唇を引き結んで我慢したものの、少しずつ心に不安が降り積もっていく。

その頃、大翔たちパイロット訓練生は地上勤務と並行して飛行訓練の座学が始まった。

飛行機の設計や飛行に必要な基礎理論などの航空学、天気図を見て情報を的確に把握するための航空に特化した気象学など、勉強するべきことが膨大にあるらしい。

三ヶ月ほど机に向かって知識を頭に詰め込み、そのあとに約一年アメリカでの飛行訓練に移る。帰国後も飛行シミュレーターを用いての訓練やいくつもの審査をパスしなくてはならず、ここからの約二年に渡る訓練でパイロットになれるかどうかが決まる大切な時期だ。

だからこそ余計に、彼の邪魔をしてはいけないという意識もあった。

(メッセージの返信が遅くなるのも、デートの予定がキャンセルになるのも、大翔さんが忙しいから。あの人の存在は関係ない)

大翔を応援したいし、彼の気持ちを信じたい。