ただでさえ年が四つも離れているのだ。過去に嫉妬して不安になっているなんて知られたら困らせるだろうし、子供っぽいと呆れられてしまうかもしれない。
『美咲。俺を信じて』
『……はい。ちょっと気になっただけなので、大丈夫です』
だから笑顔で聞き分けのいい恋人のふりをした。
大翔が『信じて』というのだから、信じよう。そう必死に自分に言い聞かせた。
しかし、美咲の懸命な努力は実を結ばず、佐奈の言動は次第にエスカレートしていく。
『子供はいいわね。ただ恋人の顔が見たいってだけで、相手の迷惑も考えずにバイト先を選べるんだもの』
『あの人、やっぱりロングヘアの子が好みなのね。お風呂上がり、髪を乾かしたがらない?』
空港のバックヤードで顔を合わせるたびに棘のある微笑みで嫌みを言われるのならば、まだいい方だ。
ある時はデート中に電話を掛けてきて、美咲には口を挟めない業務内容を絡めた相談を延々とし始めた。
大翔は美咲との時間を優先するために『また今度聞くから』とすぐに電話を切ってくれたが、それはそれで悶々としてしまう。
(今度、聞いてあげるんだ……)



