簡潔に要約され、あまりの情けなさに涙が滲む。ほんの数十分前までは、一緒に夕食を食べながら将来についてゆっくり話をしようと考えていたのに。
どうしてこんなことになってしまったのだろう。
悠輔とは情熱的な恋愛の末の同棲ではなかった。
同期として切磋琢磨する仲間だと思っていたが、悠輔はずっと美咲を女性として想ってくれていたらしい。
『佐伯が好きだ。できれば結婚を前提に付き合ってほしい』
二十歳直前で大翔と別れて以降、恋愛と距離をおいていた美咲だが、結婚願望がないわけではないし、いずれは子供もほしい。二十七歳という年齢にも若干の焦りを感じ始めており、篤志に心配をかけたくないという思いもある。
悠輔に恋愛感情を抱いたことはない。けれど、結婚を前提にという告白は魅力的だった。
彼とは同期として一緒に働いているため、人となりは多少なりともわかっている。争いごとを好まず、穏やかで優しい性格だ。八方美人で意見を押し通せないきらいはあるけれど、温和な性格の彼の隣は居心地がいいだろうと想像ができた。
美咲が悩んだ末に自分の思いを率直に伝えると、悠輔は『それでもいい』と言った。



