美咲は話題を変えることにした。
「あの、今日はどこかに寄ってきたんですか?」
大翔が持っていた見慣れない紙袋に目を向ける。
「これは美咲にお土産」
「わぁ、ありがとうございます。今日はパリ便でしたよね」
隣に座った大翔が、厚めで高級感のある濃紺の紙袋から中身を取り出す。
「ヴァンドーム広場でプレゼントを選ぶなんて定番すぎるかなとも思ったけど、美咲に似合いそうなものを見つけられたから」
てっきりパリのお菓子か紅茶が出てくると思っていた美咲は、大翔が手にする小さな四角い箱に息をのむ。
ヴァンドーム広場といえば『パリの宝石箱』と称されるほど有名な高級ブランドの本店が軒を連ねていることで有名だ。
そんな場所で購入した小さな箱。美咲の鼓動は否が応でも高鳴っていく。
「……開けても、いいですか?」
「もちろん」



