すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか?~孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない~


「……なんて、こんなふうに泣いてたら説得力もなにもないですよね。すみません、なんだか声を聞いたらホッとしちゃって」
「美咲」

背中に回されたままだった腕に力がこもり、先ほどよりも力強くぎゅっと抱きしめられる。

「ありがとう、俺を信じてくれて。美咲の存在があったからこそ、無事に戻って来られた」
「お礼なんて……私はなにも」
「俺が乗務の日は、いつも必ず食事を作って待っててくれるだろ? 操縦桿を握りながら、絶対に美咲の待つ家に帰るんだって思ってた。美咲の存在が、俺を強くしてくれるんだ」

そう言って、大翔は美咲の髪を大きな手で何度も撫でる。彼の胸に顔を埋めながら、その心地よさに身を委ねた。彼の鼓動を聞きながらなら、事故についても落ち着いて聞けそうだ。

「お兄ちゃんが、たぶんエンジントラブルだろうって言ってましたけど」
「うん。右エンジンの電気系統だった。さすがにまだ詳しいことはわからないから、これから詳しく調べるはずだ」
「着陸の時は、大翔さんが操縦していたんですか?」
「あぁ。隣には長嶋キャプテンがいてくれたし、心強かったよ」

大翔が着陸前の長嶋とのやり取りを聞かせてくれる。
まさか緊急事態のコックピット内で自分の名前が出ていたとは思わなかったが、先ほどの大翔の気持ちが嘘偽りないものなのだと、より実感できた。