すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか?~孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない~


美咲は胸の前で組んでいた手から力を抜く。強く握りすぎていたのか、唐突に血が通い始めた指先がじんと痺れた。次いで肩で大きく息をはき、ようやく安堵の気持ちが全身に染み渡っていく。

「よかった……」

バクバクと心臓が脈打ち、膝から崩れ落ちそうな心地がする。

周囲からは乗務していたパイロットへの称賛の声がいくつも聞こえた。張り詰めていた気持ちが緩んだせいで、目頭が熱い。

そんな美咲の様子を見て、篤志はくしゃくしゃと頭を撫でた。

「パイロットとして乗客全員を無事に降ろすという責任ももちろん感じているだろうけど、大翔は〝絶対に美咲のもとに帰る〟っていう強い気持ちで飛んでるはずだ。お前が一番に信じてやれば、あいつは必ず無事に戻ってくるよ」

篤志の言葉に、はっとして顔を上げた。

彼の想いを再び受け入れた時、美咲はなにがあっても大翔を信じようと決めた。あの時は周囲の噂や心ない言葉に惑わされまいという意味だったけれど。

(私は、どんな時でも大翔さんを信じてる。それが彼の力になるのなら)

「うん」

美咲は滲みそうになる涙をぐっと堪えながら、大きく頷いた。