『俺たち乗務員はその信頼を裏切らないために最大限努力する責任や義務があるし、安全を守るために必死に訓練を受けてきたんだ。旅行や仕事で利用する人、大切な誰かに会いに行く人、飛行機に乗るすべての人の安全を守る仕事に携わっていると思うと、どれだけ大変でもやり遂げたいと思えるんだ』
そう話す彼は、パイロットとしての誇りと自信に満ちていた。それは普段のストイックな努力が裏打ちしたものに違いない。
(私にできるのは、信じて待つこと。そして「おかえりなさい」と迎えることだけ。大翔さんなら絶対に大丈夫)
美咲は深く息をはくと、両手を胸の前で組んで空を見上げた。
「ビルの中ならもう少し詳しい情報が聞けるかもしれない。行ってみるか?」
「ううん。ここで大翔さんが無事に着陸するのを見てる」
「そうか」
篤志にそう宣言している間にも、サクラ航空の機体がゆっくりと下降してきた。
ざわめいていたデッキの人々も今は水を打ったように静まり返り、固唾をのんでその様子を見守っている。近づくにつれて黒煙が色濃く見え、その不穏さに緊張が増した。



