「あれに、大翔さんが乗ってるの……?」
不安と恐怖で息が苦しくなり、足がガタガタと震えて立っているのがやっとの状態だった。自分の心臓の音がやたらと大きく聞こえ、まるで地震のように世界が揺れているように感じる。
美咲は自分の胸元をぎゅっと握りしめ、着陸態勢を整えつつある飛行機を見つめ続けた。風に煽られているのか、機体が安定していないように見える。
緊張してじわりと汗が滲み、口の中がカラカラに乾く。
「美咲、大翔なら大丈夫だ」
「お兄ちゃん……」
「飛行機はたとえエンジンがひとつダメになったとしても、安全に飛べるように設計されてる。それに、こういう非常事態の時にでも冷静に対処できるようにパイロットは厳しい訓練を受けてきたんだ」
所属する会社は違えど、同じ誇りを持つパイロットとして、篤志は大丈夫だと大きく頷いた。
その頼もしさに、美咲は以前大翔が彼と同じような表情で話をしていたのを思いだす。



