けれど、こうして実際に緊迫した空港を目の当たりにすると、言いようのない不安と恐怖に襲われる。
さらに隣から聞こえた声が、美咲の恐怖心に追い打ちをかける。
「……マジか」
「な、なに?」
「あれ、サクラ航空の飛行機じゃないか?」
ハッとして目を凝らすと、たしかに徐々に近づいてくる機体のボディに、桜の花をイメージしたピンクと淡いグリーンのラインが見える。
「787……大翔が乗ってる便だろう」
美咲は口元を覆って篤志を見た。
血の気が引くとはこういうことを言うのだろう。目の前が真っ白になり、頭がぐらりと揺れた。
滑走路の物々しい雰囲気や徐々に近づいてくる飛行機から煙が出ているのに気付いた人たちが、口々になにか叫びながら空を指さしたりカメラを構えたりと騒ぎだす。



