篤志の部屋はふたつ下の二十一階。同じく奥の角部屋のため、間取りはまったく一緒だった。
玄関から迷いなくリビングへと移動したものの、濡れたままソファやラグに座るわけにもいかず、ドアの近くで部屋を見回しながら立ち尽くす。
二十畳ほどのリビングダイニングは広々としていて、篤志の部屋よりも物が少ないせいか同じ間取りでもかなり雰囲気が違う。
篤志は美咲の好みを反映してくれたため、白やナチュラルウッドカラーの柔らかいテイストのリビングだが、大翔の部屋は家具や棚をすべて黒とダークブラウンで揃えられており、男性らしいシックなインテリアだ。
突然の訪問にもかかわらず整然と片付いている。もしかしたら掃除をしてくれるような相手がいるのではと脳裏をかすめた。
そうだとすれば、今の自分の立場は、先ほど悠輔と一緒にいた女性と同じだ。
(やっぱりダメだ。すぐに出なきゃ)
ついフラフラとついてきてしまったが、やはりこの時間に男性の部屋に上がり込むなど非常識だ。
美咲が踵を返してリビングの扉に手をかけた瞬間、大翔が大きなタオルを持って戻ってきた。
「どうした? これで拭いて。風邪ひく」



