「好きだ」
「大翔、さん……私も、大好き」
キスだけで潤んだ瞳がこちらを見上げている。計算ではないだろうが、その上目遣いに狂おしいほどの欲求が頭をもたげてくる。
「あとで聞いてほしい話がある。でも今は美咲を堪能させて」
本当は帰宅してすぐに話をするつもりだった。佐奈と顔を合わせはしたけれど大翔の心は微塵も揺らがなかったし、金輪際近づくなと引導を渡してきたのだと伝えて安心させてやりたかったのに。
大翔は堪え性のない自分自身に呆れつつ、抗えない欲求に従って美咲に愛を注ぎ尽くした。
***
羽田からウィーン国際空港に降り立ち、空港内の一室でデブリーフィングを終えると、その日の業務は終了となる。
「長嶋キャプテン、筒井キャプテン、各務さん、お疲れ様でした」
「山口さん。お疲れ様でした」
「これからみんなで食事に行くんですが、よかったらご一緒にいかがですか?」



