すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか?~孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない~


佐奈は学生時代から目立つ存在だった。派手顔の美人でスタイルも抜群。おまけに成績も優秀。父はサクラ航空のパイロット、母は独身時代にモデルをしていたという絵に描いたような〝勝ち組〟の人生を歩んでいた。

そんな彼女の優秀さに一目置き、同じ航空業界を目指す同志という接点から顔見知りとなり交際に発展したが、価値観の違いはすぐに露見した。

過去の言動だけでなく、先ほどの『海外で活躍している方が箔が付く』という発言からも、この先も決して交わることのない価値観の持ち主であると断言できる。

それだけでも十分に復縁を断る理由になるが、大翔にとって美咲と出会った十年前から女性は美咲ただひとり。彼女以外の女性から下心を持って触れられるのは、たとえ指先だけでも不愉快だ。

「また海外のエアラインへ移る気はない? 英語はもちろんフランス語ならなんとかなるし、海外に移住してみたかったの。なにより、私なら大翔の仕事を理解して支え――」
「いい加減にしてくれ」

大翔の苛立った低い声に、佐奈が細い肩をビクッと揺らした。