すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか?~孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない~


友人たちの話によると、佐奈は去年離婚したらしい。ダブル不倫で裁判にまでもつれ込み、子どもの親権を押し付け合っていたのだとか。

それ以上聞くに耐えず話題を変えようとした瞬間、遠くから「えっ、大翔?」と大きな声で名前を呼ばれた。思わず舌打ちしたくなるのをグッと堪え、声の主の方へ向き直る。

「やっぱり大翔だったわ。久しぶりね」
「……あぁ」

大翔の眉間に深い皺が刻まれるのもお構いなしに、佐奈は皿とグラスを持ってこちらのテーブルにやってきた。

「ここ数年は欠席だったのに、今年は参加していたのね」
「まぁな」
「聞いたわよ、イギリスの航空会社にスカウトされたんですってね。すごいじゃない。それなのにどうして日本に戻ってきたの? 向こうのほうが年俸も高いし、海外で活躍している方がパイロットとしても箔が付くのに」
「……そんなくだらない理由でパイロットをしているわけじゃない。誰もが君と同じ価値観だと思わないでくれ」

ため息をついた大翔に、佐奈はムッとした表情を見せる。しかし、ふたりの並びを見た友人のひとりが「そういえば、ふたりって一時期付き合ってなかったか?」と声を上げると、彼女の不機嫌な様子が一変し、嬉しそうに頬を緩ませる。