すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか?~孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない~


大翔に未練があるわけではないけれど、胸の奥底に苦い恋としてずっと忘れられないまま、しこりのように残っている。八年も経っているのに、それだけ大翔という人物は美咲の心に深く刻まれているのだ。

そんな彼と顔を合わせるなんて、気まずいことこの上ない。

(それより、そろそろ行かなくちゃ)

篤志が帰ってこないと知ったからには、これ以上ここにいても意味がない。早く今夜泊まる場所を探さなくては。

「あの、じゃあ私はこれで」
「待って。なにかあったから、篤志を頼ってきたんじゃないのか」

立ち去ろうとしたところを引き止められ、美咲は戸惑いながらも頷いた。

「でも、いないのなら仕方ないし」
「俺じゃ力になれない?」
「えっ?」
「とにかく、そのままじゃ風邪をひく。おいで」

大翔に手を取られ有無を言わさぬままエントランスを入り、コンシェルジュカウンターを通ってエレベーターへと乗せられた。ぐんぐんと上昇し、二十三階で緩やかに止まる。