「正直、前に付き合ってた頃の各務さんには『なんで元カノの悪行に気付かないの?!』ってイラッとしてたの。でも今はうちの店に頻繁に来ては必死に口説いてたし、機長を連れてきて美咲を紹介するくらい本気なんだって微笑ましかったわ」
「あれ、本当にびっくりした」
「ふふ。うちのスタッフだけじゃなく、サクラ航空内でも各務さんの美咲への入れ込みようは広まってるんだから、もう逃げられないわね」
「……うん。もう逃げない」
十分すぎるくらい逃げて、結局忘れられなかったのだ。
誰かを傷つけてまで自分の気持ちから逃げ続けても、誰も幸せにはなれないのだと知った。
それに、もう大翔から離れられる気がしない。
気持ちが通じ合い、八年ぶりに抱かれた金曜日の夜以降、大翔の甘さはますますヒートアップしている。
この週末はふたりで出掛けたが、どこに行くにも手を繋ぎ、なにをするにも美咲を優先してくれた。彼いわく『フライトで月の半分は会えない分、一緒にいられる時は甘やかしたい』のだそう。
夜も同じ理由で体力の限界まで抱かれた。ドロドロに甘やかされ、何度も甘い言葉を囁かれる。大翔が自分を愛してくれているのは疑いようもない。



