すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか?~孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない~


大翔と別れた時、彼はまだ地上勤務を終えて本格的な訓練に入ったばかりだった。今は篤志と同様にパイロットとして世界中の空を飛んでいるのだろう。それならば羽田空港に近いこのマンションは便利だし、ここに住んでいるというのも頷けるけれど。

「あの、いつからこのマンションに?」
「半年くらいかな。それまでの三年間、イギリスの航空会社に転職してたんだ。日本に戻ってきて住む部屋を探していた時に、篤志からこのマンションに空きが出たって教えてもらった」
「そう、だったんですか……」

納得したような言葉が口をついたが、この数時間で色んなことが起こりすぎて、すでに脳の許容範囲を越えている。

兄がいまだに大翔と繋がっていたとは思わなかった。

美咲が大翔と別れた時、何度『大翔は悪くない、自分のせいでダメになった』と伝えても、篤志は大翔に対し憤りをあらわにしていた。そのせいでふたりは疎遠になってしまったのではと考えていたけれど、そうではなかったようだ。

自分のせいで兄や大翔から友人を奪っていたわけではないと知り、少しホッとした。

(でも、今後は気軽にお兄ちゃんに会いに来れなくなりそう……)

大翔がこのマンションに住んでいるのなら、こうして顔を会わせる可能性がある。それはできるだけ避けたい。