すれ違いだらけだった私たちが、最愛同士になれますか?~孤高のパイロットは不屈の溺愛でもう離さない~


コーヒーの苦みが得意ではない美咲は、会社ではもっぱらカフェオレばかり飲んでいる。それを悠輔が把握しているくらいには、彼とは短い付き合いではなかった。同期としても、これから家庭を築いていくパートナーとしても、彼を好ましく思っていた。

少し感傷的な気分になるものの、彼への未練は一切感じない。

美咲は悠輔が取ってくれたカフェオレの粉をマグカップに入れ、ゆっくりとお湯を注ぐ。その間、コーヒーを淹れ終わったはずの悠輔が給湯室から出ていく気配はない。

「今日は出社してたんだね」
「あぁ。最近各店舗のバイトがやっと補充できたし、研修期間も終わって大丈夫そうだから。今日はたまたま午前中は店舗回ってたけど、今週から出社してる。そっちは? 空港店の副店長が入院したんだって?」
「うん。退院したけど仕事復帰にはもう少しかかるかな。でもこっちもバイトの子たちが育ってくれたから、そろそろ任せる予定」

話題が仕事のおかげか、二ヶ月近くの冷却期間をおいたおかげか、多少のぎこちなさや気まずさはありつつも普通に話せる。

「……あのさ、少しだけ時間もらってもいいか?」

緊張気味にたずねてきた悠輔に頷き、ふたりで給湯室から一番近い会議室へと入った。普段からランチタイムは開放されている部屋で、あまり混み合わないため居心地がいい。社食や外に食べにいかない日はここで食べることが多い。