(どうして、ここに……?)
そして彼もまた、漆黒の瞳を大きく見開いている。
どう反応するべきか戸惑っていると、大翔が大きな歩幅で一気に距離を詰めてきた。
「やっぱり美咲だ。こんなに濡れて……傘は?」
八年のブランクなど感じさせないほど普通に声をかけられ、動転しながらしどろもどろに返事をする。
「あ……途中で、忘れてきちゃって」
美咲の言葉に、大翔は怪訝な顔をした。
それもそのはず、今日は朝から雨が降っているし、今も雨足が強まってきている。途中で傘を忘れるなど普通ならありえない。
「なにがあった?」
「……え?」
大翔の大きな手が、スッと目元に伸びてくる。
「目が赤い。……泣いた?」



