八年前、自分勝手に大翔を遠ざけた負い目があるし、彼に釣り合う自信もない。それでも彼は美咲を選んでくれた。自分が不甲斐ないせいだったと謝罪し、美咲の思いを慮ってくれた。
そんな優しい大翔が好きだ。仕事に対する真摯な姿勢も、美咲に対する思いやりも、すべてに心惹かれている。
だからこそ、もう二度と迷わない。
単なる噂話や誰かの言葉に惑わされず、大翔が自分に向けてくれる想いを信じる。
(大翔さんが帰ってきたら、一歩踏み出そう)
そう決めると、なんだか心が浮き立ってくる。美咲は久しぶりの恋愛の醍醐味を味わいながら、ふわふわとした気持ちで帰路についた。
その翌日は空港店のシフトの人員に余裕があったため、本社に出社した。
いつものようにメールのチェックや売り上げの解析を進めていると、あっという間に正午になる。



