けれど、どれだけたくさんの噂話を耳にしようと、以前のように胸が張り裂けそうに痛むことはない。
『俺は絶対に美咲を裏切らないし、二度と不安にさせないと約束する』
その言葉の通り、大翔の浮ついた話はひとつも聞こえてこない。
むしろ、どんなに美人なCAや可愛いグランドスタッフに誘われても、ステイ先での食事すら断っているという。
『私に気を遣わないで、みなさんと食事に行ってくださいね。私、大翔さんの行動を制限したかったわけじゃ』
『わかってる。だからキャプテンに誘われたらご一緒させてもらってるよ。もし女性パイロットの場合は、ふたりきりにならないように他に誰か誘うつもり』
あまりの徹底ぶりに申し訳なくなった美咲に対し、大翔は笑ってそう言った。
彼のつれない硬派ぶりを嘆く女性たちには申し訳ないけれど、それが自分を安心させるためなのだと思うとくすぐったい気持ちになる。
とはいえ女性客の話に一喜一憂していると思われたくなくて、美咲はなんでもない風を装って会話を断ち切ろうとした。
「……別に、まだ彼氏じゃないから」



