「明日から乗務が始まるからこそ、少しでも美咲との時間を無駄にしたくない。もう後悔しないように、俺にできることは全部したいんだ」
身勝手に別れを告げたのは美咲の方で、大翔にはなんの非もなかった。付き合っている時はとても大事にしてもらったし、なにか不誠実な真似をしたわけでもない。
美咲が子供だったせいで過去に嫉妬し、不安に思っているのを素直に打ち明けられなかったことが原因なのだ。
「大翔さんが後悔することなんて、なにもないんです」
ものすごく今さらなのはわかっているけれど、それを彼に伝えてもいいだろうか。
伝えたからといって、非常識な別れ方をしたのがチャラになるとは思っていない。それでも過去の自分がなにを思っていたのか、彼に知って欲しくなった。
「美咲?」
「あの……少しだけ話を聞いてもらってもいいですか?」
意を決して尋ねる。美咲の真剣な表情を受け止めた大翔は、目を細めて「もちろん」と頷いてくれた。



