フォローするような彼の言葉に、ちくりと胸が痛む。
早くここを出ていかなくてはと考えているくせに、その手伝いをすると言われると寂しく感じるなんて矛盾している。
(なにを残念がってるの。少しの間お世話になるだけって決めたでしょ)
美咲は自分勝手な思考に内心で喝を入れ、大翔にお礼を告げて食事を再開した。
羽田空港店のヘルプ要因としてシフトに入ってはいるものの、エリアマネージャーとしての仕事がないわけではない。
ゴールデンウィークから二週間が経ち、空港にも多少落ち着きが戻ってきた。美咲は既存のメンバーで店が回る日は本社に出社し、通常業務をこなしている。
先日の休みには約束通り大翔とふたりで不動産屋に行ったが、ひとり暮らしの物件を見つけるには至らなかった。
悪くないと思った部屋がいくつかあったのだが、すべて彼にダメ出しをされてしまったのだ。
『ここはセキュリティが甘すぎるし、この方角だと日当たりが悪い。こっちは駅から遠いから帰宅が遅くなった時に危なすぎる。ここは立地も悪くないし築浅だけど狭すぎると思う。キッチンが独立してないし、住みにくいんじゃないかな』



