「そうだ。次の休みに行きたい所、思いついた?」
「いえ……。でも大翔さんも疲れてるんだから、出掛けないで休んだ方が」
「疲れてるからこそ、美咲とデートして癒やされたいんだよ」
ふたつ目の理由はこれだ。
仕事終わりに不動産屋に出向くのは時間的に難しく、相談したり内見したりするのなら休日しかない。けれど大翔と休みが合うたび、こうしてデートに誘われるのだ。
本来ならば丁重に断って不動産屋に予約を入れるべきだとわかっているのに、彼の甘い誘いに心が揺れ、もう二度もふたりで出掛けている。前回の休みの日も、彼に誘われて映画を観に行った。
あんなにも自立した女性になろうと張り詰め、別れてからは一切の連絡を断っていたのに、再会した途端にこうして距離が縮まっている現状に自分でも呆れてしまう。
「ごめんなさい。次の休みは、ちょっと……」
一緒に暮らしていると楽しいし、このまま流されてしまいたいと思っている自分がいる。
けれど大翔から好意を寄せられる心地よさに溺れ、彼の気持ちに応えられるかどうかもわからないまま甘えている現状は絶対によくない。



