「平凡なんかじゃないよ。気軽に立ち寄れて何度でも通いたくなる居心地のいい店を作るなんて、俺にはなんのアイデアも浮かばない。誰にでもできる仕事じゃないと思う」
大翔が美咲を見て、柔らかく微笑む。
本心からそう言ってくれているのが伝わってきて、恥ずかしさ以上に嬉しさが勝って頬が緩んだ。
「ありがとうございます」
無意識に上目遣いに笑顔を向けると、目の前の大翔がグッと喉を鳴らした。
「大翔さん?」
「いや、なんでもないよ。食べようか」
「はい。いただきます」
「いただきます」
向かい合って座り、ふたりで手を合わせる。



