図らずも思わせぶりな発言をしてしまった罪悪感と恥ずかしさでなにも言えずに俯くと、大翔がふっと小さく息をはいた気配がした。
「ごめん、今のはちょっと調子に乗った」
優しい声音に顔を上げると、大翔の瞳に先ほどまでの熱っぽさはない。
きっと大翔は見抜いているのだ、まだ美咲が自分の気持ちに答えを出せていないことに。一歩踏み出せずにいることに。
「大丈夫、皿も割れてない。次は美咲の話を聞かせて」
料理を再開した彼は、強引に聞き出すことなく話題を終わらせてくれる。その気遣いに心の奥がぎゅっと締め付けられた。
「私、ですか?」
「そう。どうして今の仕事を選んだんだ?」
美咲は学生の頃に知ったカランドの社訓を思い出した。
「そうですね、バイトしていたお店っていうのもあったんですけど、うちの会社の掲げる理念に惹かれたんです」
「理念?」



