ドキドキと心臓が高鳴り、なにも考えられないまま数秒間見つめ合う。熱っぽい眼差しで見つめられ、その黒い瞳に吸い込まれそうだった。
「ずっとここにいて、俺の帰りを待っててくれるって思っていいの?」
「え? ……あっ!」
美咲は自分の発言を思い出し、茹でタコのように顔を真っ赤に染めた。
「ごっ、ごめんなさい。やだ、私、なに言って……」
今の生活は、ひとり暮らしの部屋が見つかるまでの仮住まい。新しい部屋が決まれば出ていく約束だ。
それなのに料理を作って帰りを待っていたいだなんて、恋人気取りな発言をしてしまった。
(どうしよう、はずかしい……)
けれど、もしかしたらそれが心の奥底にある自分の本心なのかもしれない。そう思うと余計に顔が上げられなくなる。
まだ彼の想いを受け入れる覚悟もできていないのに、こうしてそばにいると彼にときめくのをとめられない。



