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大翔との同居生活はドキドキの連続で落ち着かなさそうだと思っていたけれど、想像以上に心地よかった。
彼が当初言っていた通り、空いていた部屋を美咲の私室にしてくれたためプライベートは保たれている。
朝の出勤時間がズレているから洗面所の取り合いもないし、すっぴんやパジャマ姿を晒すのも初めのうちは恥ずかしかったけれど、三日も経つ頃には慣れた。
問題は就寝時にどちらがベッドを使うかという話だったが、これについては一悶着あった。大翔が『ベッドを買おう』と言いだしたのだ。
さすがに長く居候するつもりはないし、ベッドまで買うなんてもったいないと言い張る美咲に対し、大翔は『美咲をソファや床に寝かせて自分がベッドに寝るなんてできない』と初日同様に反論した。
『それとも、俺と同じベッドで寝る?』
大人の男性の色香をこれでもかと放出する流し目でそんなセリフを言われ、美咲はなにも言えずにブンブンと首を横に振った。
たしかにキングサイズでふたりで寝るにも十分な大きさがあるけれど、自分に好意を寄せている男性と同じベッドで眠るなんてできない。



