大翔と別れてバイトを辞めたため一時期は疎遠になったが、カランドの内定式でバッタリ再会し、そこからまた縁が続いている大切な友人だ。
羽田空港店にヘルプに入ることになった初日に、理香にはここ最近の出来事をすべて打ち明けている。
「なんていうか……気持ちの整理がつかないの。もう二度と会わないつもりだったのに再会して、やり直したいって言われて、さらに期間限定とはいえ同居なんてさ」
その上、こうして職場に顔を出しては口説くような真似をされ、どうしたらいいのかわからない。
「本当に急展開よね。それも矢口くんと別れた直後に」
「うん」
「大丈夫? あれから矢口くんに会社で会った?」
「ううん。私も今はあっちに出社する日が少ないし、向こうも担当店舗が人手不足らしくて頻繁に出向いてるから、社内にいる時間は少ないみたい」
社内恋愛、それも同じ店舗統括部に所属しているため周囲には交際の事実を隠していた。そのため、職場で気まずい空気が流れる心配はないのが不幸中の幸いだ。



