七宝 ‐なほ‐

家に帰り、なんとなく抱き合う。

「七宝、俺は七宝がこのまま歌えなくても愛してるし、ずっと一緒にいる」

冬羽が七宝にキスをした瞬間、なんともいえない気持ちが七宝を包み込んだ。

「たかちゃん、わたし、なんか変。」

「どした?」

「うまく言えないけど、歌えそうな気がする。
せーの」

七宝は本当に歌えるようになった。


‐「なして歌えるようになったの?」

愛智の言葉に、

「愛されてるからかな」

七宝は照れたように笑った‐。