七宝 ‐なほ‐

教室に入ると、早くもグループが出来上がっていて、七宝は落ち込みながら席につく。

「ねぇ、なんて言う名前？」

肩を叩かれ、振り向くと髪の毛を茶色に染めた女の子がいた。

「上地(かみじ) 七宝」

「なーほー。
あたし、愛智(あち)。
よろしく！」

愛智は人懐っこい笑顔で笑う。

「友だちとクラスが分かれちゃってさ。
なーほー、あたしと仲良しになってくんない？」

「いいよ、よろしく」

七宝が頷くと、

「あーちー、どうしたの、その子？」

そこには数人の男子がいた。

「あ、歩夢(あゆむ)！
この子はなーほー。
さっき仲良くなったの」

「よろしくね。
こいつらはかーずー、琉音(りゅうと)とふーゆー」

歩夢は笑い、一依(かずより)、琉音、柑冴(けんご)は頭を下げた。