七宝 ‐なほ‐

『海渡に告白するの?』

先程から、心臓の音がうるさい。

『まだわからない。
だって、確実に失恋しちゃうでしょ?
あたしは海渡の好きな人はなーほーじゃないかと思ってる』

陽花からのメールで、

「ええ~!!」

思わず大きな声を出してしまう。

「なーほー、何時だと思っているわけ?
うるさいさぁ」

隣の部屋の蓮奈(れな)に注意される。

「あい、ごめんねー」

七宝は蓮奈に謝ると、陽花に返信するのを忘れて、そのまま眠ってしまった。

翌日、七宝が高校に向かうと、

「なーほー!」

後ろから陽花が追い掛けてきた。

「はーるー、おはよ~」

「告白の事だけど、やっぱり告白しようと思ってさ」

「そうなの?」

「うん、当たって砕けろってね。
夏休み中に告白しようと思ってるんだよね」

陽花は笑った。