七宝 ‐なほ‐

「え?」

「ほら、あそこ」

海渡が指差す先には、龍一と涼香がいた。

「りゅーう!?涼香ー!?」

七宝は龍一と涼香に駆け寄った。
慌てて手を離す2人。

「2人も来てたなら声を掛けてくれればよかったのに…」

「邪魔しちゃ悪いかなと思って」

七宝は、いつの間にか隣にいる海渡を見る。

「あ、今ね、キーホルダーを買おうとしてたんだけど、りゅーうたちもいる?」

龍一と涼香は顔を見合わせる。

「わたしたちに気を遣わず、2人で持ってたらいいさぁ」

涼香が言い、龍一は頷く。

「やった!七宝とお揃い」

海渡はどこか嬉しそうに笑うと、カメのキーホルダーをレジに持って行った-。