「ちょっ…、篠宮くんっ、近いよ…!」 「今俺が何をしようとしてるかわからないの?」 え?このひとは一体何を目論んでるのかしら? そう思って首を傾げたら、何があったのか篠宮くんは少し顔をそむけた。 髪の毛の隙間から見える彼の耳は、夕焼けより赤く染まっていた。 「あっ、篠宮くん暑いの?!なんだー、早く言って…んっ」 突然の違和感にぎゅっと目を瞑る。 鼓動が早鐘のようになっている。 その唇の違和感が篠宮くんの唇だと気づいた瞬間、私は驚きの声とともに彼を突き飛ばしてしまった。 き…きすっ?!