九条先輩の甘い溺愛

「その気持ち悪い手、放してもらっていい?」


「はっ、はぁ?お前誰だよ」


「この子の彼氏だけど。お前こそ誰だよ」


「チッ彼氏持ちかよ」



知らない人は先輩に舌打ちをすると、さっさと駅の方へ歩いて行った。



「ごめん、俺がもっとはやく来てればよかった」


「全然大丈夫です!助けてくれてありがとうございます」


「なんか服変わった?すごく大人っぽい」


「似合ってますかね……?」



先輩の裾を握って、そう尋ねる。
すると私の髪を耳にかけて「すっごく可愛い」と言って私の耳をサラッと撫でた。



「せんぱいっ、くすぐったい……っ」


「うん。わざと」



くすぐられた耳に手を当てながら、ムッとする私に気が付いたのか、いつものように頭を撫でる。



「なんか今日企んでるのかなって思ってさ」


「っ……!そんなこと」


「なにしてくれるのか期待してる」



気づかれてるじゃん……!
意地悪な微笑みをみせると私を抱き寄せ、おでこにキスをした。



「先輩ってキス魔かなにかですか」


「かもね?」