九条先輩の甘い溺愛

「ちょっとこっちに来てください」


「え?いいけど、そっちになにかあった……」



私が少し前からお金をためて買ったもの。花音はいいと思うって言ってくれたけど、気に入ってくれるかどうか……。
景色はきっとここで大丈夫。花音におすすめされた夜景スポット。あとは私の勇気だけ。



「少し早いですけど、お誕生日おめでとうございます。透君……透さん?のほうがいいですかね。どっちがいいですか?」


「ふはっ、祝うのか名前の呼び方を決めたいのかどっちだよ」


「先輩呼びをやめてほしいだなんて急に言うから、いろいろ予定が狂ったんです!もう!」


「好きな方でいいよ?俺のこと考えてくれてるだけで、すげー嬉しいから」


「じゃあまだ先輩呼びで……」



私だけが恋に溺れてるんじゃない。きっとお互いに溺れているんだ。
少し背伸びをして、キスをする。


プレゼントはもう少し後で渡しますね、先輩。