九条先輩の甘い溺愛

「先輩、今どこにいますか?」


「今連絡しようと思ってた。そっちに行くよ」



先輩ともちゃんと向き合おう。真実が何であれ、ちゃんと向き合わなきゃ何も始まらない。最初の一歩は私からじゃないと。


空き教室に入ってきた先輩とゆっくり目を合わせる。
正直言えば、聞くのはとても怖い。でもお互いがお互いのことをもっと知らないといけない。



「先輩。花音と会っていたのに私に隠した理由、教えてくれますか?」


「なんで知って……」


「ちゃんと聞きたいんです。先輩から」



いつまでも現実逃避していたら、小さいころと何も変わらない。
花音と話せたときみたいに、向き合う覚悟を持とう。