九条先輩の甘い溺愛

「美味しい……」


「そう?よかった。これ俺の手作りなんだ」


「料理できるんですね」


「まぁ、そこそこね。花宮は料理しないというよりできないような気がするけど」


「う……」



図星をつかれて押し黙る。そう、私は料理が本当に苦手。
何を作っても焦げるし、味は変だし。お父様にはすごく怒られた。



「あははっ図星っぽいね」


「……うるさいです」


「そんな食生活してたら倒れるだろ?今度からお弁当作ってこようか」


「ご迷惑がかかると思うので気持ちだけで十分です」


「君に倒れられた時の方が困るから無理。ゼリー飲料昼食にするくらいなら、俺が作る。いいね?」



先輩の圧に負けて、お弁当を頼むことになってしまった。
これ自動的に先輩と毎日会わないといけなくなるんじゃない?いつも会いに来られてるけど。



「その目はバレちゃったかな。そう怒るなって、お弁当作ってあげるからさ」



ごめんごめんと笑いながら話されて、こちらが折れる形になった。
毎回こっちが押し負けてるのはなんか納得いかないけど。