九条先輩の甘い溺愛

それからたくさんの屋台に行ったけど、なかなか先輩の誕生日の紙を見つけられなかった。
同じ数字が何枚もあることは無いって話だから誰かに取られたのかな……。



「きっと見つかるよ。そんな心配しなくても大丈夫」


「だといいんですけど……」



先輩のスマホの通知音が鳴って、画面を見て少し顔をしかめた。



「どうかしました?」


「いや、気にしないで。俺少し呼ばれたから、ちょっと待ってて。すぐ戻ってくる」


「あ、はい……待ってます」



クラスの人に呼び出されたのかな……。それとも告白?
先輩人気だもんね……。ほかの人がカードを見つけてる可能性だってあるんだから。


この不安は本当にそれだけなんだろうか……。