九条先輩の甘い溺愛

「はーい、彼氏さん後ろから抱きしめる感じでお願いしまーす」


「はーい。こうですか?」


「めっちゃいいです!撮りまーす」



なんでそんなに先輩は冷静なの!?
恥ずかしいのは私だけ?




「次のポーズ行きますよー」


「恋人つなぎでお願いしますっ!」



そのポーズは恥ずかしすぎるというか……人前でやるのは……。



「……ごめんなさい。俺の可愛い彼女が恥ずかしがってるのでこの1枚だけにしときます」


「え……」


「ほら行くよ」



差し伸べられた手を取ると、前とは違って恋人つなぎをしてくれた。
これじゃあ結局恥ずかしいですよ……先輩。


いつもより心臓がさらにドキドキしているのを感じながら先輩についていく。


ここは……空き教室?



「やっぱり顔赤くなってる」


「えっ……なってないですよ!気のせいです!」


「バレバレだから。でもそんなかわいい顔するのは俺と2人だけの時にして」



そう言って、ポケットから一枚の紙を取り出す。



「それって……」


「俺の勝ちだね、乙葉」



先輩が広げた紙には確かに私の誕生日が書かれていた。



「あとは乙葉が見つけるだけだね。待ってるよ」



そのまま私の顔に手を当ててそっとキスをした。
先輩はなんでもこなしちゃうから、私だけが恋に溺れてるみたい。