九条先輩の甘い溺愛

文化祭当日。学園は想像以上に文化祭一色に染まっていた。



「透先輩、何食べます？」


「とりあえず全制覇目指すか」


「そんなことしたら乙葉が大変でしょ」


「そんなことわかってる……ってなんでお前いるんだよ」


「たまたまだよ。変に疑わないでくれる？」



渡瀬君との言い合いは相変わらずだけど、その後なんだかんだ仲良く話してるからきっと前よりは仲良くなったんだと思う。



「乙葉はいちごあめだろ！」


「いやいや、わたあめでしょ」



何の話題かはよくわからないけど……。



「愛しの乙葉ちゃんを待たせていいんですか」


「ふふっ、面白いので2人で文化祭行ってきてもいいですよ」


「「勘弁して」」



2人が慌てたように同じことを喋る。


思わず笑ってしまうと、2人はお互いを睨み合っていた。
仲いいんだか悪いんだかわからない2人だなぁ。