九条先輩の甘い溺愛

そう言えば、今日が先輩の部屋に入れる最終日か……。花音とはまだ上手く話せないけど、先輩との時間も大切にしなきゃ。



「先輩!今日は一緒の布団で寝ましょう!」


「……えっ?」



今日が最終日なら最後くらい勇気を出そう。
まだ付き合ってもいないけど……。



「無理……ですか?」


「いや、無理じゃないよ。乙葉はそれでいいの?」


「はいっ……」



お互い少し緊張しながら寝るまでの数時間を過ごした。



「じゃあ、おいで?乙葉」



ベットに横になる先輩に、トントンと布団を叩いて隣に来てと合図される。
自分で勇気を出したはいいもののこれって寝れないのでは……。



「乙葉、緊張してるだろ」


「……透先輩こそ」


「言うねぇ。今キスしてもいいんだよ?」


「それはちょっと心の準備が!」


「ふはっ……安心して、流石に手は出さないつもり」



つもりって……。なんとも信用できない……。



「手を出して欲しかったらそう言ってね」


「そんなこと言う人いませんっ!」



布団をかぶりなおすと、先輩の洗剤の香りにふわっと包まれた。



「なんだか先輩に抱きしめられてる気分です」


「……なにそれ可愛いんだけど」



先輩は私をぎゅっと抱きしめて、頭を撫でた。



「俺はいつだって乙葉の味方だから。助けて欲しかったらいつでも名前呼ぶんだよ」


「私だって透先輩の味方ですよ。頼りないかもしれないですけど」



頼りがいしかないなと言いながらさらにぎゅっと私を抱きしめる。



「せん、ぱいっ苦しいです」


「あっ、ごめん乙葉が可愛すぎてつい」



パッと力が緩んで、思わず深呼吸をする。



「私も透先輩のこと大好きですから」



そう言って先輩にキスをする。
先輩が驚いて固まっている隙に、布団に深くもぐる。



「本当に反則だって……しかもこれで放置されるとか修行?」



先輩のそんな独り言に笑いながら私は深い眠りについた。